ドラマ『天国の鳥』/『Reminiscence』 伊吹翼:へえー!一緒に喫茶店入ったの? いいな、静香。いいな〜いいな〜 最上静香:良くないわよ〜怒って、すぐ出てきちゃったって言ったでしょう。 楽しくお話してた訳じゃないの。 伊吹翼:でも、喫茶店でケンカってなんて、仲良くないと出来ないし... もう、それ、デートだよね!いいな〜 最上静香:どうしてそうなるよ。 伊吹翼:いいな〜それで、それで、どんな話したの? 最上静香:別に、ジュリアさんがお姉ちゃんの同級生だったって話。 伊吹翼:やっばり、そう言う関係だったんだ! つまり、私たちもジュリアさんの後輩ってことだよね。 最上静香:...うん... でも、そういう関係ってどういう? 伊吹翼:うちが天才ギタリストを生んだ学校か〜。 将来的に私の中からも、そっごいバンドとか出てきちゃうかもね! は〜もしかして私?!それか静香? 最上静香:ないない。私はね... 伊吹翼:またまた。ピアノコンクール準優勝のくせに。 もしそうなっちゃったとしたら、私、静香になんでも協力するから! 最上静香:は.....用事が終わったでしょ。もう切るよ。 伊吹翼:あ...もう...静香、冷たい〜 まだ聞いてない事沢山あるのに。 最上静香:ごめん。でも、疲れちゃって... 伊吹翼:せっかくホームルーム代返してあげたのに。 最上静香:...それは翼が言い出したじゃない? 伊吹翼:そうだけど〜じゃ、明日、絶対続き聞かせてだよね。 最上静香:うん。 伊吹翼:あっ、忘れてた。 静香、Blue/Zealのライブ、行く? 最上静香:Blue/Zeal?えーと? 伊吹翼:ジュリアさんのバンド、今度ライブやるって雑誌にも書いてあったでしょ? 静香が行く気なら、チケットを取っちゃうかな〜と思って。 最上静香:ごめん、待って、お願い。 伊吹翼:静香? わかった。元気な時にまた相談しよね。 最上静香:うん。ありがとう。 おやすみ、翼。 伊吹翼:はい〜また明日。 今日のことは忘れよと思ったのに、 全然頭から離れない。 ジュリアさんのこと、お姉ちゃんのこと ...よし お姉ちゃんの部屋 もう長いこと入ってなかった、 家政婦さんが掃除してくれてるけど、 ずっと使われてない部屋はよそよそしい感じがする あの人、ジュリアさんの話、全部信じて訳じゃない... でも...本当にお姉ちゃんが私たちに黙ってバンドをやっているなら、 何か残っているはず ...ない... ...ここにも...... やっばりないのかな...うん... あ...戻さなきゃ あれ? ...この楽譜、クラシックじゃない。 ギターとのアンサンブル? ...違う、バンドの曲だ。 手書きの書き込みも、お姉ちゃんの字。 ...はあ! さすがお姉ちゃん!シンガーソングライターにもなれちゃうね! リリースしたら大ヒットするかも!ひひ〜 あ、いつか姉妹ユニットでデビューする?私がボーカルになってあげる! ...なんて。ひひ〜 この曲、 姉ちゃんが遊びだよって言って、弾いてた曲... よく、隣で歌ってた... お姉ちゃん... 北上丽花:まだ帰らないですか? あまり寄り道してると...遅くなっちゃいます。 茱莉亚:あ...ごめん。懐かしくてさー。 茱莉亚:この箱、昔のBlue/Zealで使わせてもらてたんだ。あの頃は、前座だけど... 北上丽花:私がマネジャーになる前の話ですね。 茱莉亚:あ。うちらはただの高校生バンドで、気持ちだけは先走ってで、 どうにもならない悲しい事なんてなくて、夢に向かって走ってるだけで、楽しかった... ...チハがいなくなって、吹っ切りつもりでUKに乗り込んで、 デビューして、初めて分かったんだ... あいつはあの頃からもう...プロ顔負けの天才だったんだって... ...私もずっと、チハを追いかけてるだけなのかもしれない... チハならもっとすごい所に行けた、広い世界に羽ばたいて行けたはずだ... だから、私はそこにたどり着くまで、飛ぶのをやめちゃいけないんだって。 北上丽花:辛いですか? 茱莉亚:くはないよ。 ただ、時々... 寂しくなる...それだけ。 北上丽花:そう...ずっと探してるんですね。 翼を重ねて、一緒に飛んでくれる人を...