[00:32.65]最後の夜に 君に宛てた
[00:36.69]手紙は既に 破られただろう
[00:40.81]それぞれ胸に 抱いた思いは
[00:44.74]誰かの為に捻じ曲げられて
[00:56.74]「命ヲ棄テテ 守ルヘキハ
[01:00.62]代ヱ難キ物、若キ血燃ヤセ
[01:04.65]祖国ノ為ニ 散ルル事ハ
[01:08.62]名誉テアルト誇リニ思へ」
[01:13.12]君が告げた"どうかご無事で"
[01:19.85]"行かないで"と確かに今聞こえた
[01:27.79]朝陽が昇る頃を待たずに
[01:36.54]蒼い風に砕け形無き物と為るでしょう
[01:43.77]そしてやがては誰も忘れて
[01:52.39]無機質な数字で 悲劇の一部なんて
[01:56.23]語られるのでしょう
[02:20.25]僅かな酒を飲んで砕いた
[02:24.28]盃にただ、自分を見てた
[02:28.22]片道の旅 向かう先は
[02:32.21]鉛か海か、大差は無いか
[02:36.78]ただ心残りを云えば
[02:43.59]残して行く幼いその横顔
[02:51.52]数日後には母の元にも
[03:00.11]一行で綴られた 味気の無い手紙が行くでしょう
[03:07.40]そして笑顔で感謝を告げて
[03:15.98]一人になった後で 皺の増えたその目
[03:19.67]泣き腫らすのでしょう
[03:28.02]耐え難きを耐えた終わりに
[03:35.93]一体誰を憎んで そして何を恨んで良いでしょう
[03:43.17]忍び難きを忍んだ先に
[03:51.72]守るべき未来が いつか訪れると
[03:55.66]只、祈るばかり